脳卒中リハビリの効果を高める「本当に必要な3つの視点」
- ー しゅう
- 5月19日
- 読了時間: 8分

【医療従事者が解説】
脳卒中リハビリの効果を高める「本当に必要な3つの視点」
「一生懸命やっているのに…なぜか成果が出ない」
リハビリに取り組んでいる多くの方が、こんな壁にぶつかります。
✔️ 毎日続けているのに、手足が思うように動かない
✔️ 退院してから、リハビリの方法に自信が持てなくなった
✔️ どこまで良くなるのか、何を目指せばいいのか分からない
…そして、つい「自分が頑張り足りないのでは?」と感じてしまうことも。
でも、それはあなたのせいではありません。
脳卒中のリハビリには、“意外と知られていない本質的な視点”がいくつもあります。
これらを知らずに、ただ「動かそう」と頑張っても、
逆に遠回りになってしまうことがあるのです。
🧭 回復のカギは「視点の切り替え」にある
私たちが現場で多くの患者さんと向き合う中で見えてきたのは、次の3つの視点を持てるかどうかで、回復のスピードと質が大きく変わるということです。
自分の体を正しく感じる
非麻痺側を「お手本」として活かす
神経の再接続に注目する
これらは、ただ筋トレをしたり、動かす練習を重ねるだけでは得られない“リハビリの本質”です。
この先の内容では、それぞれの視点について詳しく解説するとともに、あなた自身がどこから始めればよいかを見つけるセルフチェックもご用意しています。
そして最後には、無料でご参加いただけるリハビリ体験のご案内も。あなたの「これから」に役立つヒントを、ぜひ受け取ってください。
✅ 視点① 自分の「体を探索する」感覚を取り戻す
脳卒中の後、多くの方が「自分の体が自分のものじゃないように感じる」とおっしゃいます。これは単なる筋力の低下ではなく、**「自分の体の感覚が脳に届いていない」**状態です。
脳の中には「身体地図(ボディマップ)」という、自分の体を把握する地図のような仕組みがあります。脳卒中ではこの地図が部分的にぼやけたり、欠けたりしてしまうのです。
🔍 たとえば…
「肩の位置が分からない」 → 肩を上げたつもりで、実は動いていない
「手がどこにあるか感じられない」 → 机に置いた手を見失う
「動かそうとすると変な方向に力が入る」 → 意図しない動きが出る、転倒の原因にも
これらは筋肉の問題ではなく、**「脳の感覚処理の障害」**が根本にあります。
🟢 ポイント:自分の体を“再発見”する時間をつくる
毎日5〜10分、体に触れる・動かす・眺める時間をとる
手や腕をなぞる、温度の違うものに触れる、鏡で動きを見るといった工夫が効果的
ご家族やセラピストが手を添えてあげると、脳への感覚入力が増え、より効果が高まります
感覚が少しずつ戻ってくると、動かす練習にも正確さが出てきて、「動く感覚」「うまくいく感覚」が育っていきます。
🔎 セルフチェック①:あなたの“身体感覚”、どれくらい感じられていますか?
□ 麻痺側の手足がどこにあるか分からなくなることがある
□ 目をつぶると、自分の手の位置がイメージできない
□ 肩や肘、手首の曲げ伸ばしの感覚が曖昧に感じる
□ 手足を動かすと、思った方向に力が入らない
□ 麻痺側を使うと、緊張してしまいスムーズに動けない
→ 2つ以上チェックがついた方は、感覚入力やボディイメージへのアプローチが効果的です。
✅ 視点② 麻痺側だけでなく「非麻痺側の感覚」を活かす
「麻痺した手を動かさなきゃ」と、麻痺側ばかりに集中してしまいがちですが、それが**“逆効果”になるケース**が多くあります。
麻痺側は感覚・動きの精度が落ちているため、**間違った動かし方(代償動作)**が身につきやすいのです。
🤔 なぜ非麻痺側が重要?
非麻痺側には正確な動き方と感覚が残っています
その動きをよく観察し、意識し、脳に刻み込むことで、麻痺側にも正しいイメージが伝わりやすくなります
これは「ミラーセラピー」や「イメージトレーニング」の基本原理でもあります。
🧩 両手を使おうとしたとき、起きる“分裂感覚”
麻痺側と非麻痺側の動き方がバラバラだと、まるで「2人のパイロット」が1つの体を動かしているようになってしまい、両手作業や日常の動作が極端に難しくなります。
🟢 ポイント:正しい動きの“お手本”を活用する
非麻痺側の動きを動画で撮影して観察する
鏡を使って「左右同じように動く練習」を行う
意識して**“感じながら動かす”**ことで、動き方が脳に記憶されやすくなります
非麻痺側の動きを“先生”として活用することで、麻痺側の動きも、より自然で効率的に近づいていきます。
🔎 セルフチェック②:あなたの“左右の使い方”、ズレていませんか?
□ 麻痺側ばかりを動かそうとして、うまくいかないことが多い
□ 両手を使う動作(服を着る・洗い物など)がうまくかみ合わない
□ 非麻痺側と麻痺側で、動き方やスピードが大きく違う
□ 動かすとき、非麻痺側の方ばかり意識して使っている
□ 鏡で見ると、左右の動きや姿勢が非対称になっている
→ 2つ以上当てはまる方は、“非麻痺側をお手本にした再学習”が非常に有効です。
✅ 視点③ 脳卒中は「筋肉」ではなく「神経」の病気
「筋肉が落ちた」「硬くなっている」とよく言われますが、実際にはその根本原因は“脳からの命令が届いていない”ことにあります。
筋肉や関節の問題は、あくまで“結果”であり、その背後には、神経の流れの乱れ、脳内の情報処理の障害があります。
🧠 起きているのは「誤作動」
本来ならスムーズに伝わる「動け」という命令が、途中でブレたり止まったりしている
その結果、間違った筋肉に力が入る、緊張が抜けない、動きがぎこちないなどが起こります
このまま筋肉ばかりをほぐしたり鍛えても、脳との連携が回復しない限り、本来の機能は戻りません。
🟢 ポイント:「神経の通り道をつくり直す」意識で
姿勢・感覚・動作をセットで再学習することが神経回路の再構築につながります
「どう動かすか」よりも「どんな感覚で動かすか」に焦点を当てる
リハビリでは、「選んで動かす」「自分で感じる」ことを大切にします
神経の病気である以上、回復には「脳に正しい刺激を届ける」ことが絶対条件です。リハビリは、“脳と体を再びつなげるトレーニング”なのです。
🔎 セルフチェック③:リハビリが“筋肉だけ”になっていませんか?
□ 「もっと筋力をつければ動けるようになる」と思っている
□ リハビリ中、「ただ動かすこと」ばかりを目標にしている
□ 動かしていると、変な力の入り方や違和感がある
□ 筋トレやマッサージをしても、なかなか効果が出ない
□ 「感じながら動く」「どう動かしたいか考える」ことはあまり意識していない
→ 3つ以上該当する場合、神経の再学習・再接続を重視したリハビリが必要かもしれません。
✅ まとめ:継続には“専門家のサポート”がカギ
リハビリは、ただ「頑張る」だけでは思うような成果が出ないことがあります。
「努力しているのに、なぜか良くならない」
「これで合っているのか不安」
「本や動画を見ても、実際にどう動けばいいのか分からない」
こうした悩みは、あなただけではありません。
☝なぜ“専門家のサポート”が必要なのか?
脳卒中の後遺症は、一人ひとり状態も症状も違います。にもかかわらず、「誰にでも合う方法」を自己流で続けるのは、とても難しいことです。
専門家が介入することで:
どこに本当の課題があるのかが明確になります
改善しやすい順番や方法が整理されます
客観的な変化を見ながら、モチベーションが保てます
つまり、リハビリの“迷子”にならないための地図とナビゲーションが手に入るのです。
🌱 無料体験リハビリで「今の自分」に気づくチャンス
私たちの施設では、脳卒中リハビリに特化した専門スタッフ(作業療法士・理学療法士)が、あなたの状態に合わせた完全オーダーメイドのプログラムをご提案しています。
まずは、「どこが問題なのか」「どう改善すればいいのか」を一緒に探ることから始めてみませんか?
📋 無料体験の内容(一例)
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