〜リハビリの軌跡と変化〜
ここにご紹介するのは、患者様ご本人とご家族、そして支援に携わったスタッフみんなの「努力の結晶」です。
一つひとつの動画に映るのは、日々のリハビリの積み重ねと、その先にある確かな変化。
これは、単なる感想ではなく、“回復の軌跡”そのもの——いわば、私たちにとっての“結果発表”です。
どうぞ、それぞれの物語に込められた想いと希望を、あなたの目でご覧ください。
180日を超えても機能改善!
お箸で食べられるようになった脳卒中リハビリの実例
「もう一度、自分の手でお箸を使って、
家族と一緒にご飯を食べたいんです。」
これは、ある患者様がリハビリ初日に語ってくれた言葉です。
脳卒中後、何年も経ってからの挑戦でした。
リハビリの世界では「発症から半年(180日)を過ぎると、もう回復は難しい」と言われがちです。
でも、その常識がすべての人に当てはまるとは限りません。
脳PLUSでは、時間が経っても“願いをあきらめない”方々の挑戦を、自費リハビリという形で支えています。
今回は、“お箸を使う”という強い想いを、実際にカタチにしていった一人の方の歩みをご紹介します。
◆ 初期状態:肩や肘は動くけれど、手首〜指は全く動かない
ご紹介する方は、脳卒中発症から数年が経過した患者様。
当初、肩関節や肘の動きはありましたが、手首・指先はまったく動かない状態でした。
しかし、「もう一度、自分で箸を使ってご飯を食べたい」という強い思いが、リハビリのスタート地点でした。
◆ 少しずつ“指をつまむ”ことが可能に
リハビリでは、母指(親指)の動きに注目。
最初は手がほとんど開かない状態から、地道な練習を積み重ね、箸でつまむ動作ができるまでに回復しました。
しかし、次の壁は「前腕の回内・回外」――
つまめても、口まで運べないという課題に直面しました。
◆ 回内・回外の改善 → ついに「自分の口まで運ぶ」動作が可能に
動かしにくい前腕のねじり(回内・回外)も、細かい姿勢調整や筋出力の再教育によって少しずつ動きが改善。
結果的に、箸を使って食事を口まで運ぶ動作が達成できるようになりました。
このリハビリの道のりは、「維持」ではなく、確かな「前進」だったのです。
◆ 脳PLUSが伝えたいこと
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発症から時間が経っていても、体は変わります。
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回復の限界を決めてしまうのは、環境かもしれません。
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意味ある目標と、正しいリハビリによって、可能性は引き出されていきます。
脳卒中からの回復は、「諦めなければ終わりではない」と、私たちは信じています。
痙性が強く「ばんざい」も「肘の曲げ伸ばし」もできなかった腕が、
自分で動かせるようになったリハビリの記録
「とにかく力を入れれば動く」── そう思っていました。
脳卒中後、痙性(筋肉のこわばり)が強く、肘を曲げたり伸ばしたりすることも、「ばんざい」することもできない。
そんな状態のなか、患者様は「とにかく力を入れれば、そのうち動くのではないか」と思っていたそうです。
しかし、力を入れすぎることで脳は筋肉を正しく制御できなくなり、共同運動や連合反応といったパターンが強くなり、痙性はさらに増してしまっていました。
◆ 「ほんの少し」を動かすことから、脳の学びは始まる
脳PLUSのリハビリでは、まずまだ動かせる関節や部位から、
ほんの少しの動きを丁寧に感じ取るところからスタートしました。
動かすという“感覚”動かすという“イメージ”イメージができれば
「勝手に動く」ような感覚このようなアプローチを通じて、
患者様自身が「動いている」という実感を少しずつ取り戻していきました。
◆ 感覚が変わると、動きも変わる
最初は「本当に動いているのかわからない」という状態でしたが、
回数を重ねるごとに、「今、少し曲がった」「さっきより伸びてる気がする」
そんな“動きへの感覚”が芽生え始めました。
感覚が育ってくると、動きの中にあった無駄な力が少しずつ抜けていき、
強かった痙性も次第にやわらいでいったのです。
◆ マッサージもストレッチも行っていません
今回のリハビリで注目すべきポイントは、一切マッサージやストレッチを行わなかったことです。
行ったのはただ一つ──脳で制御できていない筋肉に、
随意運動(自分の意志で動かす運動)を再学習させる練習でした。
その結果、
・「ばんざい」動作
・肘の曲げ伸ばし
どちらも、ご本人の意思で動かせるようになったのです。
◆ 回復のカギは、「脳で動きを理解すること」
痙性が強い場合、ストレッチや抑制では一時的な緩和にとどまってしまいます。
大切なのは、「動かすとはどういうことか」を脳がもう一度理解し直すこと。
それができれば、筋肉も、関節も、少しずつ応えてくれるようになります。
歩けなかった患者様が“独歩”で退院へ──
自宅復帰を支えるリハビリ施設「エバーライフ加島」での取り組み
「回復期を退院したけど、すぐに家に戻るのは不安…」
そんな方に最適な選択肢、それがエバーライフ加島です。回復期リハビリテーション病院を退院したあと、「自宅に戻るにはもう少しリハビリが必要」「でも、長く施設に入るのは避けたい」そんな希望を持つ方々にぴったりの施設が、脳PLUSと連携しているエバーライフ加島です。生活に近い環境で、質の高いリハビリを継続しながら、自宅復帰を本気で目指せる場所です。
◆ 歩行練習すら経験のなかった患者様
今回ご紹介するのは、エバーライフ加島に入所されたある男性の症例です。
入所時は車椅子を使用しており、ほとんど歩行練習も経験のない状態でした。
麻痺側の筋緊張が低く、座って姿勢を保つことすら困難そのため、
まずは筋緊張を高める練習と、
“歩く”という感覚に慣れる段階からスタート徐々に歩行が可能になったものの、
最初は**足を外に振り回す「ぶん回し歩行」**で、
麻痺側の足が外側に流れてしまう癖が残っていました。
◆ 失語と失行があっても、「感じる力」「繰り返す力」で乗り越える
さらに課題となったのは、失語症と失行症の併存です。
リハビリ指導において「模倣ができない」「言葉が通じにくい」
というのは、大きなハードルです。
それでも、諦めませんでした。
地道に感覚入力を行い毎回じっくりと意思疎通を重ね一緒に確認しながら、
繰り返し練習を続けたことでついには、
杖を手放し、何も持たずに独歩で歩けるレベルに到達しました。
◆ 「もう一度、自分の足で家に帰りたい」──その願いが叶った瞬間
この方は、最終的にご自宅への退院を実現されました。
途中、「昔の動きを忘れてしまっているのでは…」と不安を口にされたこともありました。
でも、諦めず、着実にステップを重ねた結果、自分の足で歩いて帰れる日がやってきたのです。
◆ エバーライフ加島 × 脳PLUS の強み
自宅復帰を目指す明確なリハビリ目標医療・リハビリの専門職が密に連携日常生活に近い環境での実践的な訓練自費リハビリ「脳PLUS」との併用でさらに質の高いリハビリが可能「回復期を終えてからが、本当のリハビリの始まり」私たちはそう考えています。
あなたやご家族が、“もう一歩の自信”を取り戻す場所として、エバーライフ加島をぜひご検討ください。
「このままの体では終われない」
──自宅訪問リハビリで、痛みと機能の壁を乗り越えた上肢回復の記録
◆ 回復期では“軽い方”と言われたけれど…
今回ご紹介するのは、回復期リハビリ病院を退院し、すぐに脳PLUSの訪問リハビリを開始された患者様のケースです。
退院時の状態は以下の通り:
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杖を使えば一応歩ける
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手も少しは動かせる
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医療者からは「脳卒中の中では軽症」との評価
しかし、患者様自身はこう語っていました。
「軽いって言われても、この体じゃ仕事にも戻れない」
「思うように動かないし、何より“動くこと”自体がしんどい」
「このままの状態で、残りの人生を過ごすなんて嫌だ。元の体に戻りたい」
◆ 肩の痛みで上がらない腕。
その原因は…リハビリ初期、最大の問題は肩の激しい痛みでした。
実はその原因は、腋窩神経の圧迫によるもの。
特に大円筋・小円筋の過緊張が問題となっていたため、
まずはこの部分の筋活動を整えるリハビリから開始。
その結果――わずか1ヶ月で、痛みなく自力で腕を挙げられるようになりました。
◆ 痛みの次に現れた「感覚の壁」との闘い
肩の痛みが軽減し、動きが戻り始めたことで、次に浮かび上がったのは―
―「指先の感覚がほとんどない」という課題でした。
感覚がなければ、細かい動作は困難です。
さらに、退院後の日常生活では手を使わない生活に慣れてしまう
「不使用」が進行していました。
◆ “使える手”を取り戻すための、指先のリハビリ
そこで、リハビリでは以下の取り組みを実施:
指1本1本を丁寧に動かす分離運動の練習実際に手を使う場面として、
箸を使った練習を導入指先に感覚を入れるための
感覚入力トレーニング繊細な動きの積み重ねを根気よく続けた
結果、最終的には――ピンセットを使って物をつまむことができるまでに回復しました。
◆ 諦めない想いに応える“訪問リハビリ”という選択
この患者様のように、退院直後の「軽症」と見なされる状態でも、
「本当はもっと良くなりたい」「元の生活に戻りたい」という気持ちを持つ方は少なくありません。
脳PLUSの訪問リハビリでは、そうした方々の**“もう一歩”の可能性**を引き出す支援を行っています。