脳卒中後の痙性について知ろう!
- ー しゅう
- 2月2日
- 読了時間: 4分
更新日:4月6日
筋緊張と痙性の関係|脳プラス
脳梗塞や脳出血の後、私たちは様々な症状に直面します。例えば、腕がガチガチに固くなったり、指が開かなくなったり、足が突っ張ったりすることがあります。ストレッチをしてもすぐに元に戻ってしまったり、マッサージをしても変わらないことも多いですよね。
これらの状態は、よく「痙性(けいせい)」と呼ばれます。しかし、実はこれには深い理由があるのです。
👉 「筋肉が固くなった」ことと「痙性」はイコールではありません。
この理解が不足していると、良かれと思って行っていることが、逆に悪化させてしまうこともあります。この記事では、リハビリ専門施設の脳プラスが、筋緊張とは何か、痙性はなぜ起こるのか、マッサージで治らない理由、無理に動かすと悪化する理由、そして本当に必要なアプローチについて詳しく解説します。
筋緊張とは何か?
多くの方が「筋緊張が高い=筋肉が固い」と考えています。しかし、これは半分だけ正しく、半分は誤解です。
🧠 筋緊張とは…
医学的に言うと、筋緊張とは、安静にしているときでも筋肉がどれくらい軽く働いているかという“神経による調整状態”のことです。
正常な筋緊張とは?
完全に力ゼロではない
少しだけ働いている
姿勢を支える
すぐ動ける準備をしている
これが正常な筋緊張です。
問題になる筋緊張とは?
必要以上に入ってしまう
力を抜けない
動かそうとすると急に強くなる
これが「病的に高い筋緊張」です。
痙性とは何か?
痙性は単なる“固さ”ではありません。これはもっと複雑な状態です。
🔵 痙性の医学的定義(噛み砕くと)
痙性とは、脳からのブレーキ(抑制)が弱くなり、脊髄の反射が過剰に亢進して働いてしまう状態です。
ここで重要な言葉が3つあります。
抑制とは何か?
抑制とは、「今はその反射を出さなくていいよ」と脳が止めている働きのことです。
健康な人では、伸ばされたらすぐ縮む反射や勝手に入る緊張を脳が常にコントロールしています。
❗ 脳卒中後は…この抑制が弱くなり、
ちょっと伸ばしただけで反射が出る
勝手に力が入る
抜けなくなる
という状態になります。
脊髄の「反射」とは何か?
反射とは、考えなくても勝手に起こる動きです。 たとえば、膝を叩くと足が跳ねたり、急に伸ばされると縮むことがあります。これは脊髄レベルで起こる自動プログラムです。
「亢進」とは何か?
亢進(こうしん)とは、必要以上に強く・出やすくなることを意味します。
つまり――
✅ 痙性とはまとめると
👉 脳の抑制が低下し、反射が異常に強く出る状態です。
痙性は「脳でコントロールする問題」
ここが最大の核心です。痙性は筋肉そのものが悪いのではなく、脳が筋肉を調整できなくなった状態なのです。
痙性を下げる方法は?
答えは――
🟢 分離運動・随意運動です。
随意運動とは、自分の意思でコントロールする動きです。
分離運動とは、必要な筋だけを選んで動かすことです。
❗ 重要なのは…痙性で固くなっている筋も、完全に止めるのではなく、“必要なタイミングで、必要な強さで収縮させられるようにする”ことです。これが本当のコントロールです。
マッサージではなぜ治らないのか?
マッサージは、一時的に楽になることや血流が良くなることはあります。しかし、👉 脳の回路は変わりません。抑制が戻らなければ、反射の暴走は再び起こります。
「動かせばいい」は危険なことがある
よくある誤解です。「固いから無理やり伸ばそう」「たくさん動かせば良くなる」と考える方もいます。しかし――
🔴 無理やり動かすと痙性が強くなる理由
急に伸ばす・勢いで動かすと、👉 伸張反射が強く誘発されます。これは、筋肉が伸ばされる→反射で縮む→さらに突っ張るという悪循環です。
さらに、息を止めたり力んだりすると、👉 脳幹系の出力が優位になり、緊張が全体的に上がり、痙性が助長される結果になります。
脳プラスの考える痙性アプローチ
私たち脳プラスでは、脳画像評価をもとに、随意運動(分離運動)を徹底して練習し、👉 脳からのコントロールを作り直すことを中心にしています。
まとめ|痙性は筋の問題ではなく「脳の制御の問題」
最後に整理します。
🔵 筋緊張=神経による調整
🔵 痙性=抑制低下+反射亢進
🔵 脳で筋を制御する必要がある
🔵 分離運動が鍵
🔵 マッサージだけでは変わらない
🔵 無理な動きは悪化要因
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