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「立てない」「立ち上がれない」本当の理由──立ち方と立ち上がりから考える回復の本質

立ち上がり


脳梗塞や脳出血を経験されたあと、多くの方がこう感じます。


「昔は何も考えなくても立てていたのに、今は傾いてしまう」

「椅子から立つとき、どうしても片脚に頼ってしまう」

「麻痺側に体重をかけるのが怖い」

「自分ではまっすぐのつもりなのに違うと言われる」


私たち脳プラスにも、こうした声が毎日のように届きます。


まずはっきりお伝えしたいのは――


👉 これは意志の弱さでも、努力不足でもありません。


脳梗塞・脳出血によって脳の一部が損傷すると、

「立つ」「体重を支える」「姿勢を保つ」といった無意識の制御システムが影響を受けるのです。



■ そもそも人はなぜ“普通に”立てるのか?


健康なとき、私たちは立つときに


・左右の足へ自然に体重を分け

・足首や膝、股関節で細かく調整し

・倒れそうになったら瞬時に戻し

・目や耳、足裏の感覚を総動員してバランスを取っています。


これらはすべて、

脳が自動操縦で処理している動きです。


自転車に乗るときに「いちいち考えなくてもバランスが取れる」のと同じです。



■ 脳梗塞・脳出血後、何が変わるのか?


脳の一部が傷つくと、この自動操縦の回路にズレが生じます。


すると体では、次のような変化が起こります。


✔ 体が傾いているのに気づきにくい

✔ 足の裏の感覚がぼんやりする

✔ 膝が伸びているか分からない

✔ 麻痺側に体重を乗せると不安

✔ ふらっとしたときに立て直しにくい


こうなると脳は、


👉 「危ない。こっちは使わない方が安全だ」


と判断し、健側中心の姿勢を学習していきます。


これが続くと――


・骨盤がずれる

・体幹が傾く

・麻痺側の脚が形だけ接地する

・健側ばかり太くなる


といった左右差が固定されていきます。


つまり、


👉 “立ち方を忘れた”のではなく、脳が新しい(不利な)立ち方を覚えてしまった


これが最大のポイントです。



■ この「立ち方の変化」が、立ち上がりにも直結する


ここが非常に重要です。


椅子からの立ち上がりは、

立った姿勢の延長線上にあります。


すでに立位で麻痺側に体重を乗せにくい人は、

当然、立ち上がるときも


👉 最初から健側に頼った動きになります。




■ 立ち上がりでよくある困りごと


脳梗塞・脳出血後の方の立ち上がりでは、こんな現象が多く見られます。


✔ 健側の脚だけで強く踏ん張る

✔ お尻が横に流れる

✔ 麻痺側に体重が乗らない

✔ 上体を必要以上に倒す

✔ 手で机や肘掛けを強く押す

✔ 途中で止まる

✔ 立った瞬間にふらつく


これらは全部、

「転びたくない」という脳の防御反応です。



■ では、なぜここまで偏った動きになるのか?


理由は大きく4つあります。



● 理由①:麻痺側の支持力低下


股関節・膝・足首に力が入りにくく、

床を押す感覚が弱い。


→ 体重を預けられない。



● 理由②:感覚の問題


足裏の接地感や関節位置が分かりにくい。


→ 分からない側には乗りたくない。



● 理由③:姿勢制御の乱れ


前方へ体重を運ぶタイミングがずれる。


→ お尻が横に流れる。



● 理由④:恐怖と学習


転倒経験があると、


→ 脳が「健側優先」を強化してしまう。




■ 脳プラスが考える「立ち方・立ち上がり」リハビリの本質


脳プラスでは、脳梗塞・脳出血後のリハビリで


✔ 筋トレだけで終わらせない

✔ 姿勢と感覚を重視

✔ 麻痺側荷重を段階的に

✔ 成功体験を大量に作る


ここをとても大切にしています。



■ 段階①:まずは“立つ準備”を徹底する


椅子に座った時点で、


・両足の位置

・骨盤の向き

・体幹の傾き


ここが崩れていると、

立ち上がりはほぼ失敗します。


👉 麻痺側の足を前に出す

👉 鏡で左右を確認

👉 足裏に刺激を入れる


これだけで立ちやすくなる方もいます。


■ 段階②:前に倒れるのではなく「足に乗る」


立ち上がりで重要なのは、

倒れることではなく重心移動です。


鼻がつま先の上に来る感覚を作り、


👉 「今、足の上に体重が来た」


と脳に教えます。


■ 段階③:麻痺側で床を押す経験を増やす


高さを調整した椅子から、


👉 麻痺側へ荷重

👉 健側の使用を少し制限

👉 体重計を使って左右差を見える化


成功体験を積み重ねます。


■ 段階④:立ったあとに安定する


立ち上がりは「立てた」で終わりません。


👉 立位で左右重心移動

👉 麻痺側荷重保持

👉 軽い揺さぶり刺激


ここまでできて完成です。



■ まとめ:脳は“今の立ち方”を覚え直せる


脳梗塞・脳出血後に立てなくなるのは、


✔ 脳の制御変化

✔ 感覚低下

✔ 麻痺側回避

✔ 恐怖

✔ 健側依存


これらが絡み合った結果です。


しかし――


👉 正しい姿勢で

👉 段階的に

👉 麻痺側を使う練習を続ければ


立ち方・立ち上がりは変えられます。


脳プラスでは、

こうした仕組みを丁寧に説明しながらリハビリを行っています。

 
 
 

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