「立てない」「立ち上がれない」本当の理由──立ち方と立ち上がりから考える回復の本質ー しゅう3 日前読了時間: 4分脳梗塞や脳出血を経験されたあと、多くの方がこう感じます。「昔は何も考えなくても立てていたのに、今は傾いてしまう」「椅子から立つとき、どうしても片脚に頼ってしまう」「麻痺側に体重をかけるのが怖い」「自分ではまっすぐのつもりなのに違うと言われる」私たち脳プラスにも、こうした声が毎日のように届きます。まずはっきりお伝えしたいのは――👉 これは意志の弱さでも、努力不足でもありません。脳梗塞・脳出血によって脳の一部が損傷すると、「立つ」「体重を支える」「姿勢を保つ」といった無意識の制御システムが影響を受けるのです。■ そもそも人はなぜ“普通に”立てるのか?健康なとき、私たちは立つときに・左右の足へ自然に体重を分け・足首や膝、股関節で細かく調整し・倒れそうになったら瞬時に戻し・目や耳、足裏の感覚を総動員してバランスを取っています。これらはすべて、脳が自動操縦で処理している動きです。自転車に乗るときに「いちいち考えなくてもバランスが取れる」のと同じです。■ 脳梗塞・脳出血後、何が変わるのか?脳の一部が傷つくと、この自動操縦の回路にズレが生じます。すると体では、次のような変化が起こります。✔ 体が傾いているのに気づきにくい✔ 足の裏の感覚がぼんやりする✔ 膝が伸びているか分からない✔ 麻痺側に体重を乗せると不安✔ ふらっとしたときに立て直しにくいこうなると脳は、👉 「危ない。こっちは使わない方が安全だ」と判断し、健側中心の姿勢を学習していきます。これが続くと――・骨盤がずれる・体幹が傾く・麻痺側の脚が形だけ接地する・健側ばかり太くなるといった左右差が固定されていきます。つまり、👉 “立ち方を忘れた”のではなく、脳が新しい(不利な)立ち方を覚えてしまったこれが最大のポイントです。■ この「立ち方の変化」が、立ち上がりにも直結するここが非常に重要です。椅子からの立ち上がりは、立った姿勢の延長線上にあります。すでに立位で麻痺側に体重を乗せにくい人は、当然、立ち上がるときも👉 最初から健側に頼った動きになります。■ 立ち上がりでよくある困りごと脳梗塞・脳出血後の方の立ち上がりでは、こんな現象が多く見られます。✔ 健側の脚だけで強く踏ん張る✔ お尻が横に流れる✔ 麻痺側に体重が乗らない✔ 上体を必要以上に倒す✔ 手で机や肘掛けを強く押す✔ 途中で止まる✔ 立った瞬間にふらつくこれらは全部、「転びたくない」という脳の防御反応です。■ では、なぜここまで偏った動きになるのか?理由は大きく4つあります。● 理由①:麻痺側の支持力低下股関節・膝・足首に力が入りにくく、床を押す感覚が弱い。→ 体重を預けられない。● 理由②:感覚の問題足裏の接地感や関節位置が分かりにくい。→ 分からない側には乗りたくない。● 理由③:姿勢制御の乱れ前方へ体重を運ぶタイミングがずれる。→ お尻が横に流れる。● 理由④:恐怖と学習転倒経験があると、→ 脳が「健側優先」を強化してしまう。■ 脳プラスが考える「立ち方・立ち上がり」リハビリの本質脳プラスでは、脳梗塞・脳出血後のリハビリで✔ 筋トレだけで終わらせない✔ 姿勢と感覚を重視✔ 麻痺側荷重を段階的に✔ 成功体験を大量に作るここをとても大切にしています。■ 段階①:まずは“立つ準備”を徹底する椅子に座った時点で、・両足の位置・骨盤の向き・体幹の傾きここが崩れていると、立ち上がりはほぼ失敗します。👉 麻痺側の足を前に出す👉 鏡で左右を確認👉 足裏に刺激を入れるこれだけで立ちやすくなる方もいます。■ 段階②:前に倒れるのではなく「足に乗る」立ち上がりで重要なのは、倒れることではなく重心移動です。鼻がつま先の上に来る感覚を作り、👉 「今、足の上に体重が来た」と脳に教えます。■ 段階③:麻痺側で床を押す経験を増やす高さを調整した椅子から、👉 麻痺側へ荷重👉 健側の使用を少し制限👉 体重計を使って左右差を見える化成功体験を積み重ねます。■ 段階④:立ったあとに安定する立ち上がりは「立てた」で終わりません。👉 立位で左右重心移動👉 麻痺側荷重保持👉 軽い揺さぶり刺激ここまでできて完成です。■ まとめ:脳は“今の立ち方”を覚え直せる脳梗塞・脳出血後に立てなくなるのは、✔ 脳の制御変化✔ 感覚低下✔ 麻痺側回避✔ 恐怖✔ 健側依存これらが絡み合った結果です。しかし――👉 正しい姿勢で👉 段階的に👉 麻痺側を使う練習を続ければ立ち方・立ち上がりは変えられます。脳プラスでは、こうした仕組みを丁寧に説明しながらリハビリを行っています。
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