筋肉が硬くなる「痙性(痙縮)」とは?原因と改善のポイント
- ー しゅう
- 5月11日
- 読了時間: 3分

こんにちは。脳卒中のリハビリをがんばっている皆さんや、ご家族の皆さんへ向けて、今回は**「痙性(けいせい)」**についてわかりやすくご説明します。
「腕が勝手に曲がってしまう」「足が突っ張って歩きにくい」
そんなお悩み、ありませんか?これは痙性(痙縮)と呼ばれる、筋肉が硬くなる症状のひとつです。特に脳梗塞や脳出血の後に起こることが多く、リハビリを進めるうえでも重要なポイントになります。
■ 痙性(けいせい)ってなに?
痙性とは、筋肉がつっぱってしまったり、勝手に曲がってしまったりする状態です。自分の意志とは関係なく、筋肉が縮んでしまうため、日常生活の動きにも影響が出ます。
■ なぜ筋肉が硬くなるの?
ポイントは「伸長反射(しんちょうはんしゃ)」という体の仕組みです。
本来、筋肉が急に伸ばされると、体を守るために反射的に縮むようになっています。これが「伸長反射」です。健康な人では、この反射を**脳がうまく調整(抑制)**しています。
でも、脳梗塞や脳出血のあと、脳の調整がうまくできなくなると、反射が強く出すぎてしまいます。その結果、筋肉がずっと硬くなってしまうのです。
■ 痙性が出やすい動作とは?
伸長反射は**「姿勢反射」**という体のバランスを保つしくみの一部です。
そのため、たとえば…
起き上がる
立ち上がる
歩く
など、姿勢を変えるときに痙性が強く出ることがあります。
よくあるのが「歩こうとすると肘が曲がってしまう」「足がつっぱって前に出しにくい」といった症状です。
■ 改善のカギは「脳の再コントロール」
痙性をやわらげるには、「筋肉そのものをどうにかする」のではなく、**「脳が筋肉をうまくコントロールできるようになること」**が大切です。
そのためには、脳が「この筋肉は今、これくらい動かすよ」と判断できるよう、**正しい運動の感覚(=随意運動)**を繰り返し学習することが必要です。
■ リハビリで目指すこと
リハビリでは、次のようなアプローチが重要です:
無理に動かさず、ゆっくりとした運動で脳に情報を伝える
痙性が出やすい姿勢や動きを知り、負担を減らす方法を考える
正しい姿勢・動きを脳に覚えてもらう
一歩ずつでも、脳は再び動きを学びなおす力があります。「脳PLUS」なリハビリで、毎日を少しずつ変えていきましょう。
■ まとめ:痙性とうまく付き合うために
ポイント | 内容 |
原因 | 伸長反射を脳が抑えられなくなること |
出やすい動作 | 起き上がり、立ち上がり、歩行など |
改善の方法 | 正しい運動を繰り返し、脳で筋肉をコントロールする力を育てる |
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