【脳卒中リハビリ】装具の“正しい使い方”知っていますか?大事なのは「どこに体重をかけるか」
- ー しゅう
- 5月18日
- 読了時間: 3分

◆ 装具を使っても「うまく歩けない…」と感じているあなたへ
脳卒中後に足首を支えるための**装具(AFO)**を使っている方は多いと思います。
でも、こんな悩みはありませんか?
✅ よくあるお悩み
歩いていると体が後ろにのけぞる感じがする
かかとに体重がかかりすぎて不安定
骨盤がぐらつく、歩くとガクッとくる
実はこれ、装具の選び方の問題ではなく、「装具のどこに体重をかけているか?」が原因のことが多いのです。
◆ 多くの人がやってしまう“間違った使い方”
装具を履くと、どうしても**後ろの部分(かかと側)**に頼ってしまいがちです。
これによって、
重心が後ろにずれて
かかとばかりに体重がかかる
骨盤が弾ける(後ろに倒れる)
結果として足が前に出にくくなる
という悪循環が起きてしまいます。
◆ 正しい使い方:「内側の支柱」と「すね」で支える!
装具には、多くの場合内側に支柱(しちゅう)があります。
この内側の棒の部分と自分のすね(脛)を“支え”として使うことが、正しい装具の使い方です。
✅ イメージ:ふくらはぎを“柱”にして、体をまっすぐに保つ
「装具の内側の柱に、すねでグッと体重をあずける」「後ろに倒れるのではなく、少し前に“のる”感覚」
このように前方への重心移動を意識すると、自然と歩きやすく、骨盤も安定してきます。
◆ 理想の重心は「舟状骨(しゅうじょうこつ)」の前!
ちょっと専門的な話になりますが…
足の内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨。この骨の少し前、内くるぶしの約2cm前あたりが、立っているときに一番安定する理想の重心位置です。

✅ ポイントは「土踏まずのやや前」
この場所に体重をのせるようにすると、
足のアーチ(内側)がしっかり支えられる
骨盤が安定し、体がまっすぐになる
歩く時も「次の一歩」が出やすくなる
◆ 実践編:装具を履いて正しい荷重を感じるコツ
▶︎ 椅子からゆっくり立ち上がるとき
装具の内側の支柱にすねを軽く当てるように意識
前に体を傾けて、土踏まずの前あたりに体重を落とす
膝を少し前に出すようにすると、自然と舟状骨に体重がのる
▶︎ 立っているとき
壁やバーにつかまりながら、「すねが装具の内側に軽く当たるように」意識して立つ
重心を「かかと」ではなく、「土踏まずの前」に持ってくる
◆ よくある誤解と注意点
❌間違った使い方 | ✅正しい使い方 |
装具の後ろ側(かかと)に体重をかける | 装具の内側の支柱とすねで支える |
足の裏の“かかと中心”で体重を支える | 土踏まずの前あたり(舟状骨前)にのせる |
後ろに反るように立つ | 体を少し前にのせて、骨盤を安定させる |
◆ 装具は「守るもの」ではなく、「動きを助けるもの」
装具は、ただ足を支える“道具”ではありません。正しい使い方をすれば、動きを引き出す“リハビリのパートナー”になります。
後ろに頼らず、前に重心を落とすことで、あなた本来の体の力を引き出すリハビリにつながります。
◆ まとめ
装具は「どこに荷重をかけるか」が超重要!
内側の支柱とすねを使って、前方重心にのる
理想は「舟状骨の少し前」に体重を落とす
装具を正しく使えば、歩行がラクになり、骨盤も安定する!
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